1/48 サボイア S.21 紅の豚 (1) エンジン・胴体の製作
◆出品予定:5月くらい (^^;
まずはエンジンの製作から、パーツは合計9部品構成になってます。各パーツのディテールは繊細に造形されていますが、ディテールアップを施す事なく素組みで鑑賞するには、今ひとつ物足りない感じがしますね。
もう少し観察しましょう。排気管の総数から見ると恐らくエンジンはV型12気筒のようですね。キャブレターが片側3個づつモールドされているので、1個のキャブレターを2気筒で共用する感じでしょうか? これって本当かなと思って色々と調べてみると、この共用キャブは特段珍しいことではなく、車などの吸気方法としては一般的に用いられているようですね。
話はそれましたが、パーツをよく見るとエンジンに付属する補器類もちゃんと再現されています、これはすごい!!
例えばエンジンブロックの後部( 上の写真右手) に見えるのが、おそらく『ディストリビュータ』ですね。これは各プラグの点火タイミングを機械的にを合わせて、点火用の電気を供給する役割を果たしています。現在のそれはECUで制御するのが一般的ですが、当時のレトロエンジンでは、点火タイミングをクランクシャフトの回転と連動するこの『ディストリビュータ』で行っている方法が主流でした。
当時のといいましたが、1980年頃の自動車もそういえばこの『ディストリビュータ』がついていましたもんね (^^)
以上のような使われ方をするので、点火プラグの計12本の配線は、この左右の丸い筒状のような部品である『ディストリビュータ』に各6本づつ接続される状態になります。上手く配線のゴチャつきを再現できれば、このエンジン部の見せ場にできそうですねぇ。
で、さらにその後ろに見えるのは、何だろ?
う~ん、ちょっと判らないですが駆動軸と同一軸線上に存在するものなんですよねぇ。多分オルタネータ(発電機)か、オイルポンプくらいかなぁ。。。こちらは、もう少し当時の写真を見ながら検証を進めていきますね。
一旦エンジンブロックを組み上げてみました。ちょっとキャブレターの吸気ダクトの肉厚が厚く見えますね。ドリルで肉厚を薄めにしていきましょう。
模型を作っていて、いつも思うのですが、完成品を観察した時に尺度感の基準となる造形物を想定し、その部品のサイズ感を合わせる事って、結構大切ですよね。
見る側は、自分の中の現物イメージとキットをその部品を基準に頭の中で照らし合わせていくと思ってます。
このエンジンブロックを例にすると、プラグやキャブレターなどが、それに該当しますね。さらに細かな部品類でいうと、取り廻されるケーブル類や、キャブレター吸気ダクトの板厚なども、それに含まれるかなぁ。。。
なので、これら細かな部品の尺度感が精密であればあるほど、スケールの不統一感 (違和感) がなく、さらに巨大なエンジンブロックに見えてくる事にないますね。
どうでしょう? 右側2つが薄肉後、左側1つが未加工です。う~ん、もう少しかな?
出直してきます!!
エンジンのディテールアップは後ほどにして、先にエンジンフードを作っていきましょう。
エンジンフードを先に作る理由ですが、最終的な完成状態ではエンジンフードの点検扉を『開』状態とし、ディテールアップされたエンジンを覗けるようにするつもりです。その時に内部のエンジンがどの角度から、どう見えるのかを検証したうえで、ディテールアップ部品を追加していきたいからなんですよ。
だって、ガッつり作り上げてから、『えっ、フード内に収まらない!』となるのは避けたいですものね (^^;
まずは、開ける点検扉のパーツを分離させて、更に薄肉に見えるようにパーツの縁部分の肉厚そ削ぎ落していきます。こちらの薄肉化もスケール感と、精密さを醸しだすためには必須ですね。ここを削らずして組み上げてしまうと、パーツ上では1mmの肉厚のため、約48mmの鉄板がエンジンを取り囲むことになってしまいます。もう装甲板レベルですね (笑)
続いてエンジンディテールアップの1段階目を施していきます。
追加したのは『プラグ』『キャブ開閉用のロッド』です。これらは 0.2mm, 0.4mmの各銅線でそれっぽく作っています。どうでしょう、上の写真と比べて少し締まりましたよね (^^)
ではでは、一旦エンジンフードを仮止めして、どう見えるか確認しましょう。。。
( ↓ ) うん、良さそうかな? フード端面の薄肉加工も効いていますね ぇ(^^)
これをベースとしてエンジンブロック側面・下面・後端に補器類や配線を追加していけば、ディテールに奥行きと精密感が加わり、更に魅せられる状態になりそうです。
では、次は胴体のカットモデル化をしていきましょう。
私の思う飛行機模型のカットモデルの見せ所って、やはり
・縦横無尽に張り巡らされる胴体の構造桁
・その隙間から除く機内部品類
・その部品類を繋ぐ配線やワイヤー類
ですよね!
なので、その細かな部分をしっかり観察できるように開口部は大きめに取っていきます。ざっと鉛筆書きで表しましたが、こんな感じですかね?
( ↓ ) 大げさに切り欠いていないかの確認として、一旦仮組みです。。。
特に悪くはなさそうですね。ちなみに主翼に描いている線は、こちらもカット時に現れてくる主翼桁のラインです。ちょうどこのアングルだと主翼を通して胴体内部までスルーで見渡せそうですね (^^)
よし、これで行きましょう!
( ↓ ) まずはカット線の内側エリアをドリルでやたらめったら穴を開けておき、ニッパーで切り落としていきます。
( ↓ ) 途中経過の写真を全くとらずに一気に、ここまで進めてしまいました。。。ごめんなさい (^^;
写真では最初に描いたカット線よりやや開口部を広げています。ここまで広げれば内部の構造物を邪魔ものなく見渡せるようになりますね。前部の機銃、中央の燃料タンク、後部の操縦席とそれらを繋ぐ配管や、ワイヤー類などなど。。。完成品の姿を想像するだけで、少しニヤついてしまいます(笑)
( ↓ ) 斜め前から見てみましょう。
う〜ん、これは頂けないですねぇ。
胴体の隔壁部分が見えてますが、外板とこの隔壁外形の繋がり部分にが少し違和感ありませんか? というのも、実機ではこの隔壁外周に外板が貼り付けられるので、写真で見られるような隔壁と外板の段差は絶対にありえないですもんね (^^;
ここは隔壁外形の形状をさらに外側に張り出すように修正を外板のラインと繋がるようにする必要があります。 ホントに、リアル感追及のためには、こういうところに手を入れてく事が大切ですよね (^^)
( ↓ ) うん、やはり変!
この角度からみても胴体のラインは前後に渡って繋がっていないといけないですものね。
凡そここまでの過程で、胴体については改造のポイントが押さえられてきました。胴体の工作は一旦ここで留めておき、次に主翼のカットと主翼桁の制作に入りたいと思います。
ここ3週ほど制作記の投稿が停滞してしまっておりますが、次週からは今まで通り週一投稿に戻していきますね。
それでは、また!